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横井也有の俳文選
235「定茶銘文」

☆定茶銘文(ちゃのめいをさだめるふみ)

 江戸時代の俳人横井也有著のf俳文です。江戸時代の俳人横井也有著のf俳文です。尾張国春日井郡内津村(現在の愛知県春日井市内津町)に住んでいた俳人長谷川善正(号は三止)は、内津村の自宅で産する茶に名前を付けてほしいと也有に依頼し、「手まくら」と命名してもらって、明和6年(1769年)5月10日付で、也有から与えられたものです。この俳文は、横井也有著『後鏡裏梅』に掲載されていて、世間に知られることとなります。

☆定茶銘文(ちゃのめいをさだめるふみ) (全文) 

<原文>

 茶をあらたに製して名をいかゞ定めむと我にかたらふに、取あへず雑[1]の一句を筆に任せて、
  茶の下をあふぐかた手は枕かな
 されば手まくら[2]ともいはゞや。
  明和六年五月十日      也有  
       三止江

昭和58年3月30日 名古屋市教育委員会発行『名古屋叢書三篇 第十七巻・第十八巻 横井也有全集 中』より

(現代語訳)  定茶銘文

 茶を新しく製造したのですが、その名をどのように定めたらよいだろうかと私(也有)に問いかけられたので、取り合えず雑の一句を筆に任せて書いた、
  抹茶茶碗の下を扇ぐ片手は枕のようなものだ
 それゆえに、「手まくら」と名付けたらどうかと。
   明和六年五月十日     横井也有
       長谷川三止へ

【注釈】

[1]雑:ぞう=連歌や俳諧で、四季に属さない語。季語でないことば。また、季語をもたない句。
[2]手まくら:たまくら=也有が名付けた内津に産する茶の銘。茶道の作法の一つで、茶碗を持つ右手を左手で受け取り、左手で茶碗を支える動作のことを言う。

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